2023年8月のこびん

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<第1202号 2023年8月27日(日)>

       も


         もつ
         りょうてでそっと
         つつむように
         ささげるように
         
         もつ
         みみをすます
         じっとみつめる
         いつくしむように
         
         もつ
         ひとつだけ
         ひとつのおもさを
         りょうてではかる
         
         もつことでわかる
         じぶんのおもさまで


         

   * 挿一輪 *

 手に持つことで、その重さがわかります。
 
 数値ではなく、どれだけ大切にしているかということが。
 
 持つもののおかげで、自分の重さまでもがわかるような気がします。


<第1201号 2023年8月20日(日)>

       め


         めじるしひとつ
         つけたなら
         めいろのなかでも
         すすんでゆける
         
         めいろはささやく
         でぐちはこちら
         ゆきどまりなら
         やりなおせ
         
         めじるしもひとつ
         つけたなら
         つぎのめいろに
         あるいてゆける
         
         のびしてそらをみあげれば
         まっしろくものみちしるべ


         

   * 挿一輪 *

 先の見えない毎日は、まるで迷路に迷い込んだようです。
 
 いちばん嫌なのは、何度もおなじ道を行ったり来たりすること。
 
 回避するには、ていねいにひとつひとつ目印をつけること。
 
 どんなに複雑な迷路でも、決して出口がないわけではありませんから。


<第1200号 2023年8月13日(日)>

       む


         むちゅうになった
         あなたがすき
         ながれるあせを
         ぬぐいもせず
         
         むくちになった
         あなたがすき
         ただいっしんに
         みつめるもの
         
         むじゃきになった
         あなたがすき
         わらいごえが
         なつぞらにのぼる
         
         ひとときもとまらずに
         くもはながれてゆく


         

   * 挿一輪 *

 物事に集中すると、周りのことなど気にならなくなります。
 
 自分が好きなことに対して、夢中になる顔は、子どもに戻ったよう。
 
 目がキラキラと輝いて、そんな顔は大好きです。


<第1199号 2023年8月6日(日)>

       み


         みのりがすき と
         あなたはいう
         みのりのつまった
         じかんがすき
         
         みつめるはながすき と
         あなたはいう
         みのりにあこがれる
         あすのじぶんがすき
         
         ささえるつるがすき と
         あなたはいう
         おもくなってゆく
         せいちょうのじっかんがすき
         
         みのりのはるかうえで
         なつぞらがはじけている


         

   * 挿一輪 *

 可愛い小さな花なのに、その実は似ても似つかないものがあります。
 
 逆に、大柄な花なのに、とても奥ゆかしい実だったりすることも。
 
 花と実が並んでいるところを見ると、比べて飽きることがありません。
 
 ひとは、どうでしょうか。
 
 花と実、どちらも魅力的だといいですね。






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