2023年12月のこびん

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<第1220号 2023年12月31日(日)>

       かたち


         行きたかったら
         行けばいい
         
         見たかったら
         見ればいい
         
         全部が無理なら
         一部だけでも
         
         壁の前後に
         自分のかたち


         

   * 挿一輪 *

  道端の花に、力をもらった一年でした。


<第1219号 2023年12月24日(日)>

       姿勢


         すっくと立つ
         
         どんなに輝くことだろう
         どんなに素敵なことだろう
         
         あなたの立ち姿は
         あなたには見えない
         
         だからこそ
         あなたの気持ちだけで
         
         すっくと立つ
         
         どんなに似た格好の中でも
         どんなに静けさの中でも
         
         その迷いのなさだけで
         あなたはあなたで満ちている
         
         すっくと立つ
         
         ただそれだけでいい


         

   * 挿一輪 *

  生きる姿勢、常にまっすぐに。


<第1218号 2023年12月17日(日)>

       景色


         目を凝らしても
         はっきり見えないもの
         
         焦点をはずしたまま
         ぼんやりと見る
         
         ふっと視点が
         自分のなかにもぐりこんで
         
         新しい景色が見えてくる


         

   * 挿一輪 *

 はっきり見えないときは、力を抜いて気分を変えて。


<第1217号 2023年12月10日(日)>

       紅葉


         色が変わって
         はじめて
         生きている時が見える
         
         乾いた音で
         はじめて
         風のことばが染みこむ
         
         朝陽の匂いで
         はじめて
         笑みの呼吸を思い出す


         

   * 挿一輪 *

 葉が色づいてはじめて、その樹が広葉樹だと気がつきます。
 
 葉が緑の内は、すぐそばを通っても見もしないのに。
 
 五感は、変化によって教えられます。
 
 いつでも研ぎ澄ますことで、変化を逃さないようにしたいですね。


<第1216号 2023年12月3日(日)>

       後悔


         背中合わせの
         ひとりだったらいい
         
         前と後ろを同時に
         見ていられたらいい
         
         ひとの目は二つ並んで
         前しか見ていない
         
         後頭部に知識を詰め込んで
         後ろも振り向かない
         
         背中合わせの
         領域さえあればいい
         
         もう後悔することなく
         歩むことができればいい


         

   * 挿一輪 *

 今まで、どれだけの後悔をしてきたのでしょう。
 
 あの時、向き合っていたら、もう少し、勇気があったなら。
 
 思いこまずに、話し合っていたら、思いやりを持てていたら。
 
 積み重なった後悔は、どんなに供養してもなくなりません。
 
 狭い自分のうしろに、別の視点から見れる自分がいれば。
 
 後悔後に立たず、それでもまた、繰り返してしまうのは。






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