***  5月の詩  ***

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 ある肖像


ひだまりで
つむぎあう
声のない会話

どこにでもいる
いつもすれ違う
あなたという肖像

五月の風のように
目で追って
香りで確かめて

まっすぐに見ていていいですか
あなたを
あなたを見ているわたしを

恥ずかしくなるとか
辛くなるとか
笑いそうになるとか
すこし違ったこころもち

疲れたら横に並んで
おなじ光に目を細めながら

話してみたいこと
わたしのこと
聞いてみたいこと
あなたのこと

わたしのふるさとになりますか
あなたの肖像を伝えることが

書きとめた
一行のことば
空に溶ける行間

ためらわずひいた
一本の線
海に帰る光跡








5月の詩 ある肖像

5月の詩 ある肖像

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