***  7月の詩  ***

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 じっとまつ


ただじっとまつ
あるきながらまつ
そらをみあげながらまつ
しょくじをしながら
いつものせいかつのくりかえしを
ひとつひとつこなしながらまつ

そのなまえがわかるわけではない
いつくるかわかるわけでもない
しばらくすると
まつことすらわすれてしまうほど
じかんがたって
まつということばすら
しずかにどこかにおきわすれる

でもまっている
こころのどこかで
からだのどこかで
ほそくとがった
しなやかにやわらかな
とうめいなアンテナを
だしわすれたように
はりめぐらせたままで

そのものがきたとき
ほほにふれたときに
しっかりとだきよせられるように

もしかしたらまつものは
このままずっとこないかもしれない
わすれたままに
しずかにめをとじるかもしれない

だからこそ
だからこそ
ただじっとまつ
いきているほんとうの
ほんとうのりゆう
たぶんいちばん
たいせつなりゆうとして








7月の詩 じっとまつ

7月の詩 じっとまつ

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